その原因を作ったのが私だということになるのは、正直つらい。
ここまで無理やり連れて来たのは私だというのに。
「だけど、そこまでしてもらうわけには……」
圭吾さんは力なく首を横に振った。
「いいよ」
それは俊さんの口からあまりにもあっさりと発せられた言葉だった。
渋々という感じでも、嫌々という感じでもなかった。
まるで、『明日遊びに行こうか』とでも言っているような軽いノリだった。
「ほんとに!?」
床にあぐらをかいている俊さんに、思わずすがりつく。
その腕を強く揺すった。
「タイムスリップなんて、ちょっと面白いじゃないか」
どうも俊さんは、人助けというよりは自分の興味を満たすものとして捉えたらしい。
でもこの際、理由はなんでもよかった。
圭吾さんがここから放り出されずに済めば、俊さんにどんな意図があっても構わない。



