どういうわけか、私はそんな気持ちでいっぱいだった。
「ねぇ、俊さん」
私が呼びかけると、俊さんはまた目だけ私に向けることで返事をした。
「圭吾さんのこと……ここに置いてもらえないよね……?」
顔色を窺うようにおずおずと聞く。
私の家を提供してあげられればいいけれど、それはさすがに無理だろうから。
あのお母さんが、そんなことを承諾してくれるわけがないのだ。
俊さんは瞬間、ほんの少しだけ目を見開いたあと圭吾さんに視線を移した。
「あ、いえ、そういうわけにはいきませんから。俺なら大丈夫です」
慌てて圭吾さんが断る。
当然の反応かもしれないけれど……。
「そうしたらどうするの? どこだかわからないような場所にひとりでどうにかできるの?」
しかも、こんな雪空。
外に放り出されたら、きっと凍死してしまう。
それこそさっき考えたように、ニュースの一面が飾られてしまう。



