「……まぁ、そうだな。俺を騙したところで、亜子にはなんの得もないな」 「そうでしょ?」 私が強く問いかけると、俊さんは床にあぐらをかいて座った。 「よし、話を聞くだけなら聞いてやる。順序立てて話してみな」 やっと聞いてくれる気になってくれたようだ。 ひとまずホッとして私が息を大きく吐き出すと、圭吾さんもまた同じように息を吐いた。 俊さんは愛嬌のある瞳をクルクルと動かしながら、両ひざに手を置いたのだった。