私は頭を思い切り振った。
もう訳がわからない。
いくら考えても、圭吾さんの言っていることを検証なんてできっこなかった。
そのとき不意に、アトリエの玄関が開く音がした。
「おい、なんで戻ってるんだよ」
俊さんは雪を払いながら入ってくると、私を見ていつもの一本調子で言った。
「勝手に入ってごめんなさい。カギが開いてて……」
そして、圭吾さんを見つけて、俊さんが目をそこで留める。
「あ、えっと……」
「亜子の友達か？」
勝手に中に入った上、見知らぬ男の人を連れて来ていたにも関わらず、俊さんが咎めることなく普通に聞くものだから肩透かしをされた気分だった。
「ううん、違うの、あのね……」
頭の中がグチャグチャで、なにをどう説明したらいいのかわからない。
「なにかのパーティー？」
