すると、三つ目の引き出しに目当てのものを発見した。
日付は……十二月二十五日。
もちろん、平成二十八年だ。
それを引っ張り出し、彼の元へ持っていく。
「今日は一月九日ですけど、その日付の新聞は見つけられなくて」
スマホの画面で今日の日付を確認してもらおうと見せると、彼は目を見開いた。
「これは?」
「……え? スマホですけど……」
まさか、これも知らないなんて言わないよね……?
彼が、スマホから目を新聞に移す。
「一体どういうことなんだよ……」
今度は頭を抱え込んでしまった。
「あの……大丈夫ですか?」
彼は顔を上げると、困惑した目で私を見る。
その瞳は頼りなくゆらゆらと揺れていた。
私まで漠然とした不安に駆られた。
長い沈黙が訪れる。
「もしもこれが事実なら……」
彼はそこでいったん切った。
なにか言葉を探して、言いためらっているようにも見えた。



