桜の花びら、舞い降りた


◇◇◇

手帳はそこで終わっていた。

気づけば私の頬を涙が伝っていた。
その頬を青い葉を揺らす風がかすめていく。

私にとってはほんの数ヶ月前の圭吾さんとの約束。
それが彼にとってはどれほど長い時間だっただろう。

圭吾さんがこれほどまでに私のことを想っていてくれたことは、思いもかけないことだった。
どこのページを開いても私の名前が溢れている。

アルバムの中で私を抱いている写真。
あの写真に写っていたのは圭吾さんだったのだ。

圭吾さんは約束を破ってなんかいない。
こうして会いに来てくれたのが、なによりの証拠。
この手帳の中に圭吾さんの想いをいっぱい詰めて。


「あの、大丈夫ですか?」


黙ってそばに立っていてくれた彼が心配そうな顔をして、私にハンカチを差し出した。


「ありがとうございます」


見れば見るほど圭吾さんによく似ている。


「そんな目で見つめられると照れるな」