「……え?」
「やっぱりよそう。美由紀はアイツと結婚したほうが……」
俺は美由紀の肩にそっと手を置いた。
勝手にあそこから連れ出しておいて、なんて無責任なことを言っているんだと自分でも思う。
美由紀は俺の顔をしばらく見つめた後、優しく微笑んだ。
「……うん。分かった」
会場を抜けだした理由は、美由紀の体調不良だということでなんとか納得してもらい、事なきを得た。
その後のパーティーは滞りなく進み、俺は家に帰っていた。
自分の部屋にひとり、ソファに体を投げ出した。
ポケットから取り出した一枚の写真。
それは遊園地で亜子ちゃんと一緒に撮った写真だった。
不思議だ。
美由紀とあの橋から飛び降りるまでは絶望感でいっぱいだったのに。
「亜子ちゃん……」
俺は大切な人を手離してしまったのかもしれない。
あのまま未来で亜子ちゃんと一緒にいられたら……。
何度そう思っただろう。



