桜の花びら、舞い降りた


◇◇◇

彼の話を聞き終わった私は、手元の手帳を改めて見てみた。

ボロボロになった手帳と写真、そして私が描いたへたくそな絵。
今私の手の中にあるものは、確実に五十年もの時を経ている。
私にしてみたら、魔法で一瞬のうちに古く変えてしまったかのようだ。

私にとってはほんの数ヶ月前のことなのに、圭吾さんにとってはなんて気の遠くなるような時間だったんだろう。


「中を読んでみてください」


彼に促され、私は色褪せた手帳を開いた。