「亮介、作業は順調か?」
「えっ?」
突然じいちゃんに声を掛けられ、思わずビクッとしてしまった。
「なあ、じいちゃん。この箱に入っていたのは誰が持ち込んだものかわからない?」
じいちゃんに小さな段ボールを指差す。
じいちゃんはそれをじっと見つめると、「はて……誰だったか」と目を宙に彷徨わせた。
中には本も入っていたから、おそらく誰かがこの店に売りに来たものだろう。
じいちゃんは、中に入っている本をざっと確認すると、何かを思い出したように手の平を拳でポンと叩いた。
「そうだそうだ。思い出したぞ。確かもう二十年近く前のことだな。どこかの便利屋が持ち込んだものだ」
「二十年も前に便利屋が?」
じいちゃんは七十代。
それでも二十年も前のことをよくぞ思い出せたものだ。
まぁ、年寄りは昔のことのほうがよく覚えているということは聞いたことがあるけれど。
「なんでも、ひとり暮らしの人が亡くなって、その部屋の整理で出てきたとか言ってたな」
「ふーん」



