俺は再び、その日記を読み進めてみた。
昭和という年号に戻ってからは、亜子という女性宛に書かれた内容のものだった。
そして、日付ごとに最後に綴られる“亜子ちゃんとの再会まで、あと○○年”という文章。
それが年を追うごとに減っていっている。
そうして全てのページを読み終えると、裏表紙の間に写真と絵が挟まれていることに気づいた。
絵のほうは水彩画なのか、半分以上色が剥げていて、なんの絵なのかまでは判別ができない。
写真はカラーだが、歳月を重ねてセピア色に変色しかかっている。
俺は、その写真を見て愕然とした。
なぜなら、そこに写っていたのは、俺に瓜ふたつの男だったからだ。
その隣には優しく微笑む女性。
自分でも、俺かと錯覚してしまうほど似ている顔だった。
でも、当然俺にはこんな写真に見覚えはないし、隣に写っている女性も知らない。
後ろに写っているのは遊園地か?
よく見てみれば、そこには今年一月の日付が記されている。
五千万人目の来場者記念ともある。
……あぁ、これはドリームワールドだ。
俺も何度か行ったことがある。
そういえばテレビで、来場者数がどうだとかいうニュースは聞き流した記憶もある。
いったいこれは、どういうことなんだ。
この手帳に書かれてある通り、タイムスリップして現代に来ていた人がいたのか?
そんなバカな……。
俺はしばらく放心状態でその手帳と写真を見つめていた。



