ひとつひとつのデータをじっくりと見ていく俊さん。
そして、あるところで画面をスクロールする手を止めた。


「……ここだ」


俊さんの声に反応して、私の心臓が小さく飛び跳ねた。

とうとう見つかったんだ。
圭吾さんの帰るべき日が。

それは、今日から三日後の気象予測だった。


「ほら、見てみろ。この日の前日は午後から太陽が出てきて、この時期にしては珍しく暖かい陽気になりそうだ。ところが、次の日の朝には氷点下まで気温が下がる予報になってる」


ということは……。


「三日後の二月五日の朝だ」

「三日後……」


圭吾さんは小さく呟いた。
その目は、さすがに不安を隠しきれていない。

三日後の朝、俊さんの言う通り霧が発生していれば、圭吾さんはここからいなくなる。
私の前から姿を消すことが、急に現実味を帯びてきたように感じた。