桜の花びら、舞い降りた


ずいぶんとオーバーリアクションだ。
きっとどうせ、『馬鹿は風邪ひかない』とか言いたいに決まってる。

なにも言い返さないことで怒りを見せつけた。
もちろん、俊さんはそれに焦って謝るということはしない。


俊さんがお決まりの紅茶を淹れてくると、早速誕生会の始まりだ。
といっても、ケーキを食べるだけのささやかなものだけど。


それも、ホールケーキではなく小分けにされたショートケーキだ。
ちゃんと私の分も入れて三つ、箱に入っていた。

その上に一本だけろうそくを立て、圭吾さんがフッと吹き消す。


「圭吾さん、お誕生日おめでとう」

「ありがとう」


確か二十歳だと言っていたから、今日で二十一歳だ。


「実は今年は二度目の誕生日なんだよね」


圭吾さんが変なことを言うものだから、俊さんも私もポカンとしてしまった。

二度目の誕生日……?

――あ、そうか。
圭吾さんは昭和四十年の四月十八日から来たって言ってたっけ。
だから二度目なんだ。