◇◇◇

額に感じる手の感触が私を目覚めさせる。
頭がものすごく重い。


「……香織」


それは香織の手だった。


「やっと気がついた。大丈夫?」


香織が私の顔を心配そうに覗き込んだ。
まだ目がぼんやりとかすんで、よく見えない。


「どうしてここに?」


学校はどうしたんだろう。


「亜子が休みだって先生が言うから。昨日、ちょっと気になることがあったでしょ? だから帰りに寄ってみたの」


帰りって……。
今、何時?

寝たまま首だけ動かし、ベッドサイドに置いている目覚まし時計を見てみた。

――嘘。四時過ぎ!?


「おばさんが心配してるよ。朝寝たまま、ずっと目を覚まさないって」