◇◇◇

眩しい光が私を照らす中、瞼をこすりながら目を開けた。

……朝だ。
さっきのは夢……?
なんだか妙にリアルだった。

いつもは夢なんて、目を開けた途端忘れてしまうことがほとんどなのに。
やけに脳裏に焼き付いている。

ボーっとする頭。
おでこに手を当ててみると、ちょっと熱っぽい気がした。

ベッドの上に体を起こして、さっきの夢を思い出してみる。
圭吾さんに手を引かれながら、あの橋にたどり着いた私たちは、そのまま川へ真っ逆さまに……。

どうしてあんな夢なんて見たんだろう。
まさか――。

本当に美由紀さんの生まれ変わりだって言うの?

香織の言っていたことが頭を過る。
ううん、違うよね。
頭を振って寝ぼけた思考をすぐに追い出した。
そうすると余計に頭がクラクラしてくる。
なんだか体調が悪い。

着替えて一階に下りると、お母さんはちょうど出勤するところだった。
ツーピースのスーツにコートを羽織り、大きなカバンを提げている。


「おはよう」