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雪まみれでアトリエへ戻った私たちを見て、何事にもあまり動じない俊さんは珍しく驚いた顔をして出迎えた。
それほどに濡れていたのだ。
「おいおい、ふたりで雪合戦でもしてたのか?」
慌ててタオルを貸してくれた。
「圭吾くんは風呂に入ってこい。亜子は、これを飲んだら帰れ。送っていくから」
そう言って、自分用に淹れたと思われる紅茶のカップを私によこした。
圭吾さんは俊さんに従ってお風呂へと向かった。
熱い紅茶を口にすると、喉元から胃まで熱さが伝っていく。
芯まで冷え切っていたようだ。
「なにかあったのか?」
自分の分を淹れ直してきた俊さんは、私の向かいに椅子を引っ張ってきた。
可愛らしい目をくりくりとさせて私の顔を覗き込む。
「圭吾くんはずっとここにいる人じゃない。いつかは帰る人だ」
すべてを見透かしているような俊さんの言い方にギクリとする。



