「こんなに積もらせて……」
圭吾さんが私の頭や肩に積もった雪を手で払う。
自分だって雪まみれなのに。
でも不思議。
雨に濡れるのとは違って、全然いやじゃない。
逆に温かくすら感じる。
でもそれは、圭吾さんと一緒にいるからなのかもしれない。
「亜子ちゃん、俺……」
圭吾さんはそう言ったきり、口をつぐんでしまった。
長い沈黙が流れる。
「……どうしたの?」
圭吾さんが真っ直ぐ私を見つめる。
そんな目で見つめられると誤解しちゃうのに。
「ごめん、なんでもない」
圭吾さんは目を逸らした。
そんなに寂しい顔をしないでほしい。
自分の気持ちをぶつけてしまいそうになるから。
もしも私たちが同じ時代で普通に出会っていたら、私たちはどうなってたんだろう。
そう考えると、張り裂けそうなほどに胸が痛かった。



