「……私のこと探してくれてたの?」
「うん」
「あれからずっと?」
「うん」
何時間もこの雪の中、私を探して……。
おそるおそる自分の腕を圭吾さんの背中に回した。
聞こえてくる圭吾さんの鼓動は、私と同じく早鐘のようだった。
この鼓動を、今だけでも私に対するものだって思ってもいい?
今だけは、美由紀さんじゃなくて私を想ってくれてるって……。
「亜子ちゃん、ごめん」
「ううん。私こそあんなこと言ってごめんなさい」
圭吾さんは私の背中を子供をなだめるように、ポンポンと優しく叩いた。
「もう戻って来ないかと思った」
「亜子ちゃんと俊さんに黙っていなくなったりしないよ」
ずっと一緒にいて――。
言葉にできない想いを腕の力に込めた。
このままずっと……。
この雪に埋もれてふたりが永遠になってしまえばいいのに。
目を閉じて強く祈った。



