雪が発する淡い光の中、ぼんやりと浮かび上がる神社。
目を凝らして、あたりを見渡す。
「圭吾さーん!」
大きく叫んだ私の声は雪にかき消されてしまった。
圭吾さんと美由紀さんの名前が刻まれた灯篭へと近づく。
ふたりの名前まで雪が隠していた。
「美由紀さん、どうかお願い。圭吾さんを見つけたいの」
その雪を払って小さくつぶやき、私は再び走り出した。
どんどん降り積もる雪が、走る私の邪魔をする。
もしかしたら、あの橋に――。
ふと思い当たった。
あそこから飛び降りて過去に戻ろうとしているんじゃないか。
そう思ったら、たまらなくなった。
走る速度を一気に上げる。
――圭吾さん、お願い。このまま消えたりしないで。
ようやく走り着いたあの橋。
ところが、圭吾さんの姿はどこにもなかった。
雪だけが、ただ静かに川面に舞い落ちている。
冷たい空気を吸い過ぎて、喉の奥まで凍りつきそうだ。



