◇◇◇
「亜子!? いったいどうしたの?」
圭吾さんから逃げ出した私が向かった先は、香織の住む家だった。
涙と雪でぐちゃぐちゃになった私の顔を見て、彼女が驚く。
香織のお母さんへの挨拶もそこそこに、二階にある彼女の部屋へ通してもらった。
絨毯の上に腰を下ろすと、彼女のお母さんが淹れてくれた紅茶を香織が置いてくれた。
「どうぞ」
「……ありがと」
ひと口飲むと、少しずつ気持ちが落ち着いていくのが分かる。
「なにがあったの?」
香織が静かな口調で問い掛ける。
私の頭の中は、さっき神社で見た光景が繰り返し浮かんだ。
「……初めて行ったところなのに、その場所を知ってたの」
「え? ……どういうこと?」
香織はなんのことだかさっぱりわからないといったように目を瞬かせた。



