桜の花びら、舞い降りた


吸い寄せられるように灯篭のうしろに回った。
その石の表面を目でなぞる。


「……え」

「亜子ちゃん!? どうして!?」


圭吾さんが驚いて駆け寄ってくる。


「どうしてそれを!?」


圭吾さんは水を浴びせかけられたような顔をしていた。

どうしてだろう。
なんでここに、こんなものがあると思ったんだろう。
石の灯篭の裏側には、圭吾さんと美由紀さんの名前が並んで彫られてあったのだ。
それは、職人が彫ったような綺麗なものではなく、素人が石かなにかで傷つけたような跡だった。

嘘でしょ……。
私はその場に座り込んでしまった。


「亜子ちゃん?」

「……圭吾さん、どうしてかな……」


圭吾さんが私のそばにしゃがみ込んだ。


「この場所、知ってるの?」


首を横に振る私の肩に、圭吾さんが手を置く。