桜の花びら、舞い降りた


つまり、婚約パーティーが予定どおり行なわれていれば、その数ヶ月後に結婚式の予約が入っているはず。
圭吾さんもピンときたのか、台帳をペラペラとめくり始めた。


「おいおい、もっと丁寧に頼むよ。大切なものなんだ。破れたら困る」


会長さんが慌てて制止する。
圭吾さんは忠告に従って慎重に扱い始めた。
そして、何枚もめくったところで手を止める。

圭吾さんが指差した先には、“赤塚家と芹沢家 結婚披露宴”という文字があった。
ということは、美由紀さんはここで婚約披露パーティーにきちんと出席したことになる。

もしも、橋から飛び降りて、圭吾さんだけ命を落としたとしたら、数ヶ月後に妹の結婚式を執り行うはずがない。
きっと、圭吾さんも美由紀さんも、無事なのだ。

でも、だとしたら、橋から飛び降りたという圭吾さんの話はどうなってしまうんだろう。
あの高さから身を投げて、無事だとは思えない。

見つけた手がかりは、また新たな謎を引き連れてきてしまった。