桜の花びら、舞い降りた


「あ、ごめん。チケットが二枚だったから」


香織は腕組みをして小刻みに頷いた。
今度は目を糸のように細くして、私をじーっと観察する。


「なるほどね」

「……な、なに?」


私にとって居心地の悪いことを言われそうな予感は、すぐに沸いた。


「圭吾さんとデートってわけか」

「――違うよ! デートなんて!」


誤解を招きかねないような言い回しはやめてほしい。
本当に違うのだから。
俊さんにチケットをもらったから一緒に行っただけのこと。

そうだというのに、香織が妙な単語を使うものだから顔が一気に熱を持つ。
否定しておきながら、胸だって早鐘だ。


「ま、いいけどさ」


“いい”っていう顔をしていない香織は、ニヤニヤとしながら包みを開けた。


「わ、かわいいね」