桜の花びら、舞い降りた


「よくわからないが、なんらかの条件が揃うと、そのゆがみにはまって別の次元に行くってことか」


私たちは三人とも黙り込んでしまった。

条件がそろうと別の次元へ?
……その条件って何?


「圭吾くん、なにか思い当たることは?」


俊さんがが圭吾さんに問いかけた。
圭吾さんが頭を捻って視線を彷徨わせる。


「なんでもいいんだ。なにか変わったことは?」

「あのときは、とにかく走って走って……」


そのときのことを懸命に思い出そうと、気難しい顔で考えている。
きっと、記憶はないわけじゃない。
ただ、その変わったことがなんなのかが掴めないのだろう。


「……ごめん。なにも思い当らない」


圭吾さんはがっくりと肩を落とした。


「そうだよな。突然こんなこと聞いたって混乱するよな。ま、なにか思い出すことがあったら話してみてよ」

「……はい」