といっても、今ここで話の腰を折るわけにはいかない。
聞き流すことにした。
「川に遊びに行った子供が、行方不明のまま今でも戻らないことが何度か。それから、あの橋から飛び降り自殺をした痕跡はあるのに、死体がどこからもあがらないとか」
飛び降り自殺の死体がどこからもあがらない………?
圭吾さんと似たような状況だ。
あっちの世界では、いったいどうなってるんだろう。
まさに神隠しにあったように忽然と姿を消してしまって、家族はどうしているだろう。
橋から飛び降りた痕跡もなければ、ふたりはどこにもいない。
そうなると、駆け落ちをしてどこか遠くの街にでも行ったと考えるか。
ううん、もしかしたら、美由紀さんは見つかっている可能性もある。
ふたり一緒に飛び降りたのに、こちらにいるのは圭吾さんだけだからだ。
気づかれないように圭吾さんの横顔を盗み見る。
すると彼は、どこか一点を見つめたまま視線の行き場をなくしていた。
「あの橋周辺に、時空のゆがみが存在しているのかもしれない」
俊さんは腕組みで眉間にしわを寄せた。
時空の……ゆがみが?
「どういうこと?」



