もしかしたら夏目先生に会いに来ただけかもしれないのに、七瀬先輩を前にわたしの心臓はどうしても落ち着いてはくれない。
噂の原因になってるこないだの放課後の出来事を思い出すと、瞬く間に身体が熱を上げていく。
「保?朝、突き指したんだってな。大丈夫か?」
「ああ。たいしたことねぇから」
「試合、近いんだろ?」
「大丈夫だ。負ける気しない」
そう言い切った津田先輩が夏目先生にお礼を言って、足早に保健室を出ていく気配がした。
「ちょっと、七瀬君!今は、彼が……」
夏目先生が言いにくそうにそう言ったタイミングと重なるように、足音が近づいてきて……。



