わたしが起き上がったベッドの脇に手をついて、優雅に座る七瀬先輩は涼しげに笑っている。
……コレには、さすがに我慢の限界かもしれない。
「あ、アナタ達が怪しげな会話なんてしてくれたおかげで、出るに出れなかっただけですが……?」
男女交際も自由だしいくら学級委員だからって、人の恋愛事情に首を突っ込む気なんて全くもってないけれど。
どうしてわたしが被害を被らなくてはいけないのですか。
「ふーん。怪しげって八重は何を聞いたわけ?」
「勝手に、名前っ、呼ばないでください……」
馴れ馴れしい口調もこの人だからというのは理解出来るけど。
平常心を保とうと動揺など微塵もしてないとばかりにわたしは答えた。
「別にいいだろ?八重なんだから。質問に答えてくれないかな?」



