【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて




「和藤さんっ!きっと熱中症かもしれない!誰か手を貸してくれないか?」



誰かが遠くから走り寄ってくる音が振動と一緒に聞こえた直後、そう言った男の子の声がした。


この声は、常磐君だ………。


離れたところでサッカーの授業をしていたであろう常磐君の手には、ボールが抱えこんであったのが僅かに見えた。



「八重っ、大丈夫!?や……」


頭の中が渦を巻いたみたいにクラクラして意識が遠退いていった。


杏奈が呼ぶ声が遠くに聞こえて、そこでわたしの朦朧(もうろう)としていた意識はプツンッと映像でも消したみたいに消え落ちた。