わたしがしどろもどろになりながら必死に言葉を並べる杏奈に、そう聞こうとしたけれど予想外な出来事に遮られてしまった。
見てるって、七瀬先輩が……?
「えーーっ、どこどこっ……!?」
「ほらっ、三年の教室から!ハァ、やっぱりカッコいい……」
蝉の声が耳についてとれないこの季節に、それにも全く負けず劣らず女の子達の騒がしい声が響いた。
木陰の下から校舎を見上げる。
二階の窓の縁に肘をのせた七瀬先輩が本当にこっちへ視線を向けていた。
こないだのことを思い出すと原因不明の胸の高鳴りが聞こえて。
どうかしてるんだ、わたしは……。
自惚れか勘違いか。
七瀬先輩と目が合ってしまったような気がして咄嗟に勢いよく目を背ける。
そして、なんでかわからないけど息苦しさすら感じてきてしまって。



