「ふざけないで……もし、バレたりしたら、わたしは困るんですって言ってるじゃないですかっ……」 臆病なわたしは身を守ることで精一杯で。 誰もが求めて止まない七瀬先輩と一緒にいることも、そしてわたしの“あの日の秘密”も全部……。 「そしたら、責任とってやるから」 自信しかない表情を見せて答えるとわたしの頭にポンッと大きな手をのせる。 柔らかくて、温かくて、その温度から不器用な優しさが生まれたように感じた。