「どうしよう、可愛い」
ハァ………?
何が……でしょうか……?
アナタの可愛いなんて台詞は女の子には挨拶のように言ってるんでしょ……?
恐らく見下ろしているであろう七瀬先輩の視線が、わたしには痛いほど刺さる。
「二年の学級委員の、和藤八重だろ?」
そうですけども、間違っても返事なんてするわけがないでしょ……?
わからないんでしょうか?
その時、ベッドのスプリングが軋んで、微かに身体が沈んでいく。
「なぁ?いつまで寝たフリしてんの?」
ギクッと心臓が跳ね上がり、そろそろ限界があるかもしれないと諦めかける………。
そんなわたしの心情も知る由(よし)もない七瀬先輩は、熱っぽい声で耳元でこう囁いた。
「スカート捲れてるって、知ってるか?」



