「そんなの……っ、夕陽のせいに……決まってるじゃないですか!」
これ以上、先に何か言われる前にと思い付きでしか返すことが出来ずに。
七瀬先輩はおもむろに席から立ち上がると、流れるようにわたしへ視線を向ける。
お願いだからこっちへ向かないでください……。
向かい合うような形になったわたしと七瀬先輩の距離は、あまりにも近すぎて鼓動が加速を増していく。
「ふーん。夕陽ね。顔まですげぇ熱いけど?」
ーーードキンッ
聞こえてしまいそうなくらい大きな音を鳴らした胸に戸惑いを覚えたのは、七瀬先輩がわたしの頬にそっと触れたから。
わたしとは明らかに違う大きな手が……。
「……やっ、やめてください!」
「なんで?」
「誰にでも、簡単に、こんなことしてっ。人をからかうのもいい加減にしてください…」
「だから、からかってねぇよ?」



