そんなわたしが女の子を虜にする術を持ち合わせたような、あの七瀬先輩のそばに夏休みまでいなくちゃいけないなんて。



「……さん、和藤さん?」


「あ……、常磐君っ、ご、ごめんね?えと、なんだっけ?」


「うん。ほら、夏休み明けの文化祭の件だよ。各クラスのイベントが決まったら、報告上げるからさ」



そうだった……いけない、いけない。

集中しなきゃ。

週に一度の全体学級委員会を終えたわたしと常磐君は、誰も居なくなった静かな廊下を歩いた。



「もしかして、また具合悪くなった?保健室で、休んで帰る……?」



“また”、と度々貧血やら目眩を起こすわたしを、本気で心配そうな表情で覗き込むから、逆に申し訳なくなる。