ま、ま、まさかっ。
本当に勝手気ままにわたしのところへあの悪魔が顔を出したらどうしよう……。
昨日の資料室の一件のせいで学校へ近づく足が何度も躊躇してしまって。
ただでさえ真夏日に近い空の下を無駄な心配を抱えたせいで、下駄箱へ着いた頃には既にどっと疲労感が襲った。
「ふぅん。じゃあ昨日、八重は七瀬先輩とは何もなかったってこと?」
「……な、ないよっ。あるわけないでしょうがっ」
「無理矢理、連れ去られたのに?本当に?」
やっぱりそう思うよね……。
下駄箱で会った杏奈に開口一番、昨日のことを問い詰められてしまった。



