「……条件って、何ですか?」
見上げる七瀬先輩の表情が意地悪な影を含んで、わたしは手のひらまでじわじわ汗が吹き出るほどドキドキしてて。
「放課後は、オレと一緒に帰れ」
「ハァ……?帰れって、アナタと?そんなの、無理ですっ……」
答えなんてある意味迷うほどのことでもない。
女の子の熱に濡れた視線を独り占めにする七瀬先輩と帰るなんて、みんなが理想とするシチュエーションをした日には袋叩き間違いない。
「どうせ、夏休みまでなんだから断るなって?」
「いいえっ……お断りです……っ、一人で帰れますし。途中まで杏奈もいますから」
「だから」
と、呟いたと同時に可愛げのない言葉を並べるわたしの唇を封じ込めるように人指し指で押さえる。
「お前に拒否権ないんだよ?」



