午後最後の授業は校内一鬱陶しいと思われているであろう田中先生の生物。



「あーーーっ!スミ爺の授業って、ほんっとにつまんないよねっ!?ずんぐりむっくりでさっ、あれで45歳だって!もっといってるよ、絶対!」



杏奈の愚痴がダイナマイト並みに炸裂。


相当つまんなかったんだろう。


教科書の下に“イイ女が出来る10の鉄則”と書かれた本を密かに隠して読んでいたことをわたしは知ってる。



「田中 角夫(たなか すみお)で、スミ爺って……可哀想な呼ばれ方だけど。みんなそう呼んでるね?」



他愛ない会話をしながら廊下を歩いていたその時だった。



「……きゃっ!」



杏奈の乙女チックな悲鳴に、何気なく目を向けていた窓の外からそっと視線を移せば。