【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて




「おはよう。和藤さん、大丈夫?女子の群れがすごくてさ、全然教室に入れなかったんだけど……」



仔犬みたいな目尻を下げて困ったみたいに笑ったのは、わたしと同じ学級委員の常磐 礼(れい)君。


委員会の時くらいしか会話しない常磐君が去年の夏休み明けからよく話しかけてくるようになって、少しずつだけど話す機会が増えていった。



「わたしは大丈夫。全然、平気……」


「七瀬昴には困ったね?アイツの行くとこ行くとこに、女子の集団と熱気が半端じゃない」



ええ、おっしゃる通りですね。


わたしは悪態をつきながらも胸を撫で下ろした。


あれほどの騒ぎが起きても冷静に語る常磐君は今日もまた、一段と落ち着いた雰囲気を醸(かも)し出してるように感じる。