【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて




「夏目先生……」



ずっと前から田中先生が本当は優しい人だって気づいていたんだ。



「昨日の帰り、お前が具合が悪くて動けないって言いに来たのも田中だった。雨ん中、傘もささねぇですげぇ走って」



淡々と話す七瀬先輩の髪が夏風に吹かれる。



「あ……」



わたしは、昨日夏目先生も一緒だったかと聞いた時の田中先生の動揺っぷりを思い出した。



「だったら田中先生から聞いたって言ってくれたらよかったじゃないですか……」


「しょうがねぇだろ?秋帆も一緒だったのは事実だし、田中が口止めすんだから」



わたしは七瀬先輩を見上げて唇を尖らせる。



「アナタのせいで、たくさん勘違いさせられてきたんですよ……」