【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて




あの、生物教師のスミ爺が花のように綺麗な夏目先生の好きな人……?



「お前、驚きすぎ」


「だって、申し訳ないけど、なんで……」



本当に失礼な話だけどヨレたポロシャツとごわついた髪に、ずんぐりむっくりな無愛想な田中先生を、と思ってしまう。



「実習生の時に夜道が怖いって言った秋帆を田中が毎回送ってたんだ。んで、もし自分がいない時に何かあったらこう叫べって言ったんだよ」


「叫ぶ……?」



わたしの鼓動が途端に騒ぎだした。



「“火事だ”って。その方が人は外を見るって」



真剣味を帯びた声が、蒸し暑いこの場にやけに響いた。