「それからずっとお前のこと見てた。秋帆のとこばっか行ってるお前が、すげぇ気になった」
わたしはいつも保健室の前の廊下にいる七瀬先輩の瞳から逃げてきた。
その、何かを言いたげな瞳に心の裏側まで見られているようでずっと嫌いだった。
まさか七瀬先輩が全てを見透かしているなんて知る由もなくて。
「秋帆からお前が保健室に来てたって聞く度に、なんで助けてやれなかったんだろって」
悔しさに歪んだ表情がわたしの目の前にある。
「七瀬先輩がそんなこと……、思ってるなんて、わたし……」
途端に、胸が張り裂けそうになる。
目の奥が熱を持ってたちまち視界が滲んでいく。



