【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて




後悔の色に染まる表情がわたしへ近づいてくる。

 
ーーー“距離とか時間とか。んなものは言い訳で。今さら何言っても結果論だろ?”


ふと、甦った言葉に喉元まで熱くなった。



「言い訳だな」



明け方に溶けそうな月のように微笑する。


躊躇いがちにそっとわたしの頬に手を伸ばした。



「何もしてやれなくて、ごめん」


「……っ」



温もりとか、優しさとか、そういう目には見えないものに触れた気がする。


七瀬先輩の手の温もりが心にまで伝わる。


ーー“オレは、お前に何も出来ねぇってわけか”


記憶の中に残る七瀬先輩の言葉がするすると引き寄せられていく。