アナタはあの日わたしを見つけてくれた。
例え偶然だったとしてもわたしには奇跡だった。
「どんな偶然かって思った。気づいたら叫んで、常磐を走らせてた。真面目な学級委員のお前を見かけたことは、何度もあったからな」
ーーー今も、鼓膜に残る残響。
七瀬先輩の眼差しはわたしへと真っ直ぐに向かっていた。
「助けられなかった」
泡のように一瞬で消えてしまいそうな声に胸の奥が震えた。
「オレなんかに知られたって思うより、真面目な常磐に知られたってお前が思ってれば、少しは気が楽だったんじゃねぇかって。そんなことしか出来ねぇ」



