どこまでも突き抜ける青空の下で風を切る。 ーーーほんの一瞬でもいい。 今すぐに七瀬先輩に会いたい……。 学校の門を通り抜けて走るわたしをアスファルトの照り返しが射してくる。 太陽に目を焼いた世界は白く染まる。 ゆらゆら揺れる陽炎の向こうにダークブウンの色を見つけた。 「な……っ、七瀬先輩!」 名前を呼ぶだけで高鳴る感情は膨らんでいく。 夏風が止んで静けさを呼び覚ます。 「八重?」 振り返ってわたしの名前を呼んだ七瀬先輩の顔が、僅かに驚きの色を帯る。