「夏目先生……っ、ありがとうございます」 「お礼を言われることなんてしていないわ。それに、その雑学みたいなものは、私がまだ実習生だった頃にある先生に教えてもらったことなの……」 思い出のページをそっと捲るみたいな口調は清々しく響いている。 けど、どこか寂しそうにわたしには聞こえた。 「私からも一つだけ。あのね、昴はいつもアナタのこと気にしてたわ。強引で口も悪いけど、悪気はないのよ。ああいう風にしか出来ないの……」