「そう。なら、いいんだけど」 「……あの、一つだけ、聞いてもいいですか?」 「何かしら?」 まだ少し怖い気持ちはある。 けど、勇気を出してわたしは自分から聞いた。 「一年前の、今日……学校の近くで、火事があったって噂を、知ってますか?」 まるで他人事みたいに話すわたしに夏目先生は目を見張る。 そして、何かを悟ったように肩の力を抜いた。 「ええ。知ってるわ。でも、火事なんてなかった……そうよね?」