「本当に……?最近、全く保健室にも来てなかったし、原因は、私がこないだここで取り乱していたところを聞かれてしまったんじゃないかって……」



ーーー“理由にならないわ!私……どうしても好きなの。諦めきれないの”



悲鳴のような夏目先生のあの時の声。



丁寧に纏められたアップヘアに細い指を通してあたふたと説明する。



「それから、とても気になっていたのに、なかなかアナタのところへ行けなくて……」



夏目先生が気にしていくれたことが今は痛いくらいに伝わる。


言葉にしなくても、いつも心配してくれていた優しさはそこにあったと思うから。