一番最初に言葉を交わした保健室に向かったけど、既に扉にはしっかり鍵がかけられていたあとだった。


息のあがる呼吸を整える間もなくわたしは下駄箱へと踵を返す。



「あら?和藤さん……?」


「……な、夏目先生っ!!」



聞き慣れた艶のある声に驚いて顔を上げれば、白衣を脱いだ夏目先生がわたしを目指して駆け寄って来る。



「どうしたの?もう、生徒達はとっくに下校したあとなのに。もしかして、具合が悪いの……!?また、貧血を起こしたんじゃ……、」


「ち、違うんです……!」



バックから保健室の鍵を取り出す手を止めた夏目先生は、心配そうな瞳でわたしの顔を見る。