「え……っ、な……、なんで?」
沈黙を破った常磐君の台詞は本来ならば、わたしから謝るべきことだったのに。
空気の入れ換えのために開けた窓に背を預けて、常磐君がわたしを見つめている。
「和藤さんは何も悪くない。オレが大人になれないからいけないんだよ。七瀬昴が言った通りだ」
「大人になれない……?」
ーーー“大人になれよ”
現に高校生のわたし達からしたら大人になるってどういうことなのか、考えても想像しても全く検討もつかない。
「さっき、終業式のあとに夏目先生と話してきたんだ。それで、心底そう思ったんだよ、オレ……」
「どうして……?」
「……結局、オレは何一つわかってなかったんだって思い知らされた感じ?」
独り言みたいに呟いた声が宙を舞う。



