「や、八重……あの、津田先輩に一緒に帰るかってさっき誘われて。えと、八重も一緒に……」
桜色の唇が必死に説明してわたしに気を遣う。
「せっかく津田先輩と一緒に帰れるんだから、わたしは遠慮しとくよ」
「ごめんねっ、八重!」
いくらわたしでもその誘いを受けるほど無神経ではないし、気遣いを真面目に受け取るほど堅物じゃない。
「夏休み会おうね!絶対、絶対ねーー!八重、大好きっ!」
周りの目も気にせずに、最後には半ば叫びながら、わたしに告白して津田先輩のもとへ走っていく。
それを伝える相手はわたしじゃないでしょ、なんて呟いたけど内心はかなり嬉しかった。



