確かに夏は嫌いだけど閉じ籠ってばかりじゃ、きっとずっと何も変わらない。
だけど、終業式のーーーこの日の帰り道ほど怖い日なんてあっただろうか。
今も、思い出すと全身の血の気が引いていく。
「わたしからも、電話するから」
「もっー、八重ってばいつも電話電話って!」
ふわふわの髪を揺らす杏奈が「堅いんだから!今度ラインのやり方教えてあげるね」と得意気に笑ってみせる。
「竹川、まだなら先に行くぞ?」
「えっ……!?」
杏奈が弾けるように振り向けば、少し気だるげな津田先輩が教室の入り口で立っていた。
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