みんなからいつも、「ずんぐりむっくり」「スミ爺のクセに年齢詐欺だ!」などと散々な言葉を囁かれているけど、その背中はわたしには優しく映る。 「八重、今年の夏休みこそ、ぜーったいにあたしとデートしてよねっ?」 「杏奈……で、デートって……、」 終業式が終わると一目散にわたしの机のそばまで走ってきた杏奈は、零れ落ちそうな大きな瞳を眩しいほどキラキラさせる。 「やだ?ダメ?八重、夏は嫌いみたいだから誘うの迷ったんだけどさっ!」 杏奈が風船みたいにぷくっと頬を膨らませる。